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「街をつなげる人をつなげる」江東区キーパーソンインタビュー《 vol.001》江東区 大久保朋果区長 / Part3

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「江東経済新聞」の特集は「街をつなげる人をつなげる」をテーマに街に寄り添う人を紹介します。まずは【江東区キーパーソンインタビュー】を展開します。
第1回目は江東区の大久保朋果(ともか)区長にご登場いただきます。

大久保区政で進めた具体的な政策を教えてください。

ひとつは女性の活躍という分野ですが、区役所は管理職の女性割合が2割未満で、政策の意思決定の過程に女性の意見が反映しづらい状況でした。それを打開するために女性職員が区の政策を女性の視点で見直し、事業提案をする「プロジェクトスマイル」を立ち上げました。

令和6年度は若手の職員の意見を反映させようと20代の女性職員でプロジェクトチームを作り、提案してもらいました。6年度の提案は7年度予算に反映させ、2年目となる7年度は幅広い年代で構成して発表した施策を、それぞれ担当する部署がどうやれば形になるかを模索し、令和8年度予算に繋げていく形で進めています。この取り組みからも「笑顔あふれる江東区」が実現できることを目指しています。

「笑顔あふれる江東区」実現に向けた政策はほかにもありますか?

時代が大きく変わるなかで、支援のあり方とか、支援の必要性が変わってきていると区の会議で話をしています。例えば、就職氷河期がありましたが、当時、就職は自分の努力とか自己責任として行政はあまり支援しませんでした。結果として正規雇用ではない人が増え、しばらくしてから就職氷河期の人に、特別な採用枠を国や都や自治体が設けました。オンタイムできちんとした就職支援をしていれば、ここまでの問題にはひょっとしたらならなかったかもしれません。ただ、当時を批判するのではなく、それに照らして見たときに今まで支援の対象としてこなかった人についても、支援が必要かもしれないという視点に立てると思います。

特に福祉の世界では、弱者支援ということで高齢者、子ども、女性という属性の支援になりがちです。そうではない属性の人に本当に支援の必要はないのか、元気な高齢者にはどういう支援が必要なのか、働き盛りの人にも支援は必要なのか、と時代に合わせて広い意味での支援のあり方があるはずです。今が変わらないといけないタイミングなのではないかと感じています。これまで手が届かなかった層に対しての何らかの支援を実行していきたいと思っています。

きめ細やかな施策が必要な時期なのかもしれないですね。

笑顔があふれると言っても、人間には辛いことも悲しいこともいっぱいあって、常にニコニコはしていられません。ただ、例えば1日の終わりや極端に言えば一生を終える時に、「いい1日だったな」とか、「ああ、いい人生だったな」と思えるようにしたいです。自分だけではどうにもならないことを社会全体で取り組んで、みんなが「あー良かったな」と思えるような世の中にしたいです。

大きな制度は国や都道府県ですけど、住民の声を直接聞くのは区市町村。その声を都や国に上げていき、全体的な動きにするのも、我々がやらなければいけないことだと思います。江東区だけが言っても国全体の動きにならないとしても、同じように考えている区市町村と意見を合わせて声を届けることは大事なミッションだと思います。

次のページでは江東区の魅力についてお聞きしました

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