東京都立第五福竜丸展示館(江東区夢の島2)で現在、第五福竜丸と夢の島が歩んだ歴史を振り返る特別展「第五福竜丸の50年と夢の島」が、開館50年を記念して開催されている。
第五福竜丸は1954(昭和29)年3月1日、マーシャル諸島・ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験により被ばくした静岡県焼津港所属の遠洋マグロ漁船。乗組員23人全員が被ばくし、世界的な反核運動の象徴となった。
その後、東京水産大学(現・東京海洋大学)の練習船「はやぶさ丸」として使われた後に廃船となり、夢の島に放置されたが、市民による保存運動が実を結び、現在の展示館で保存・公開されている。
今回の展示では、夢の島の埋め立てや護岸工事に伴い船体が移設・陸揚げされた経緯など、夢の島の変遷と第五福竜丸の歩みを写真や資料で紹介する。
特別展示では、イラストレーター・黒田征太郎さんがビキニ事件や原爆をテーマに描いた作品63点を展示する「黒田征太郎が描いたビキニ事件」を展開。黒田さんはこれまでにも「キノコ雲」や広島・長崎の原爆を題材にした作品を数多く制作しており、現在、第五福竜丸を題材にした絵本の制作も進めているという。
小・中学生による公募作品展「みんなの船、第五福竜丸」も夏休み期間に開催予定。全国から寄せられた作品を展示する同企画は今年で3年目。「みんなで守り続けてきた船という思いを未来へつなぐ取り組みとして実施している」という。
同館学芸員の市田真理さんは「この船は過去の出来事を語るだけではなく、現在と未来を生きる私たち全員にとって大切なことを考える入り口になっている。開館50年の節目を迎えたが、51年目もその先も変わらず、多くの人に訪れていただきたい」と来館を呼びかける。
開館時間は9時30分~16時。月曜休館(祝日の場合は翌平日休館)。入館無料。9月30日まで。