映画「わたしのかあさん-天使の詩-」の上映会が11月3日、森下文化センター(江東区森下3)で開かれる。2025年1月に92歳で亡くなった映画監督・山田火砂子さんの遺作で、知的障害のある母と娘の絆を描く。
障害者特別支援施設の園長である山川高子役の常盤さん(写真中央)
菊地澄子さんの児童福祉文化賞受賞作「わたしの母さん」を原作に映画化した同作。70歳で実写映画監督としてデビューし、社会福祉や女性の自立をテーマに作品を手がけてきた山田監督の10作目に当たる。知的障害のある娘を育てた自身の経験も重ね、家族の愛情や共に支え合う社会のあり方を問いかける。
物語の主人公は、障害者支援施設の園長を務める山川高子。ある日、親友から母・清子のことを本にしないかと持ちかけられ、幼い頃の記憶をたどる。
小学3年生の頃、高子は両親に知的障害があることを知り、戸惑いを抱える。母親に学校へ来てほしくないという思いから授業参観のお知らせを隠すが、それを見つけた清子は学校を訪れる。周囲の反応に傷つきながらも、母の飾らない愛情に触れ、高子の心は少しずつ変化していく。
清子役を寺島しのぶさん、成長した高子役を常盤貴子さん、子ども時代の高子役を落井実結子さんが演じる。父親役の渡辺いっけいさん、祖母役の高島礼子さんらも出演し、親子3世代の物語を描く。
山田監督は生前、原作について「知的障害のある長女が通った特別支援学校で、長年お世話になった菊地澄子先生が書いた作品」と紹介していた。映画に込めた思いについては「周囲の人々の心を変えていく母の姿を見て、高子は福祉の道に生きる決心をする。幸せとは何か、貧しくても豊かな家庭とは何かを考える、心温まる映画を楽しんでほしい」と語っていた。
プロデューサーの上野有さんは「両親に知的障害があることに気付き、悩み、葛藤しながらも受け入れていく少女の姿を生き生きと描いた、温かい家族の物語。笑って、泣いて、少しだけ前向きになれるこの映画を多くの人に届けたい」と話す。
上映は、10時30分〜、14時〜の2回。全回日本語字幕付きで、聴覚に障害のある人も鑑賞できる。料金は前売り1,300円(電話予約・当日精算)。当日券は一般1,800円、ほか。