
「有明アリーナ」は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機につくられました。当時はバレーボール会場として使われましたが、五輪大会のあとも、国際スポーツや各種イベントの拠点となるようにつくられています。いかに臨場感をもって観戦できるかを考えて設計した観客席や、コンサートなどのエンターテイメントでの使いやすさなど、快適な動線や環境について深く検討を重ねて設計しています。
また、江東区らしいウォーターフロントの環境を活かした、賑わいと潤いを創り出す外部空間は大きなコンセプトのひとつです。これが地域らしさといえます。建物の屋根が反った形になっていますが、これは日本建築を想起させる形態で、訪れる方々に日本らしさを感じていただける空間となっています(国内の木材も内装に多く使用)。

単なる設計ではなく、価値を生み出すことを期待されていると思っています。先ほどもお伝えしたとおり、我々は建物とそのまちとの関係を大切にしています。手掛けた「恵比寿ガーデンプレイス」や「赤坂サカス」、「東急歌舞伎町タワー」は、それぞれのまちの特徴をよく読み取った上で、そこから未来のまちの姿を設計に落とし込みました。これまでのまちの文脈を大切にしながら、建物を通して持続的に発展していけるよう考えます。
赤坂では坂のまちの新しい回遊性が楽しさや魅力を生み出したり、恵比寿では創り出した広場空間が豊かな人々の生活に寄り添う場所になったり、歌舞伎町では建物内外にある数々のステージがエンターテインメントのまちの魅力をさらに大きくしていきます。
建物の機能を満足させることはもちろんですが、使う人、訪れる人、まち、都市に価値を生み出すことが重要だと考えています。
「創造すること」と「デザインすること」だと思います。
「創造すること」とは創造性を発揮して新しい未来を創ること。「デザインすること」とはプロセスを考え組み立てていくことです。その2つを合わせると「創造性を発揮して、最適なプロセスで新しい未来を創る」ということになります。
建物は今よければいいというものではなくて、未来につながるものでなければなりません。それをひとりでつくることはできません。専門の力を持つメンバー、使う人、まちの人など、さまざまな意見や考えも聞きながらつくっていきます。それと同時に、コストや環境のことなど、さまざまな課題も乗り越えなければなりません。そういったプロセスを経て、新しいものをつくっていくことを得意としています。
その得意が建物の設計だけでなく、まちづくりやプロジェクトマネジメントなど、多様な領域に生かせることが私たちの強みです。
